ロックの歴史に多大なる功績を残した偉大なるロックバンド、Led Zeppelin。
アルバムジャケットのアートワークを御存じの方は、すぐに瓜のような形をした大型ツェッペリン飛行船のイメージが思い浮かぶだろう。ツェッペリン飛行船はドイツ人、フェルディナンド・フォン・ツェッペリン(Ferdinand Graf von Zeppelin, 1838-1917) によって生み出され、航空産業の発展に大きく貢献した。
その輝かしい歴史の影で、数奇な生涯をとげた発明家と飛行船があったことを知る人は少ない。
その名は、ヴァン・キンガール(Van Kinger)号。オランダからアメリカに移民してきたヴァン・キンガール(英語読みではヴァン・キンガー)一家の三男、ルドルフ(Rudolf Van Kinger, 1852-1906?) は幼い頃から大空を飛ぶ夢に想いをはせていた。やがて気体動力学/空気力学の道に進んだルドルフは、ドイツにおける初代ツェッペリン号完成から遅れること2年、1901年に軍産複合体企業からの金銭的・技術的バックアップをもとに、初代ヴァン・キンガール号を完成させることとなる。当時アメリカは唯一のヘリウムガス生産国であった為、独米間の航空技術覇権における優位を取る目的で積極的にルドルフの研究開発をバックアップ、両国間の技術競争はヒートアップしていった。
(第二次世界大戦後のアメリカ/ロシアによる宇宙ロケット開発競争と同様の構図である。)
しかし、ルドルフは国益優先と軍事転用の波に飲み込まれつつも、次第に自分の生き方に対して疑問を持ちはじめる。幼き頃から抱き続けていた夢に引き戻される自分を強く感じていた。
「大空に旅立とう。そう、空の果てを見に行くんだ。」
1906年、ルドルフは2代目ヴァン・キンガール号に単独で乗船、2時間の試験飛行の後に無線不通となり、そのまま飛行船と共に消息不明となっている、、、
<フィクションです。すまん!!!>