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湿気の話

どもども。ギターのKです。

夏の終わりに首都圏を台風直撃。
台風一過でカラリと快晴〜〜♪
と思いきや、今日はじめじめと雨模様ですねぇ。

湿気、湿気。空気の湿度が急上昇。
この湿気、ギターにはあんまりよろしくないんですよ。
ここでちょっと湿度とギターの鳴りの話を、、、。

一般的に、ギターに使用される木材(ボディー材、ネック材)は乾いている方が鳴りが良いとされます。新たにギターを制作するときも、しっかりと木材を乾燥させてからパーツとして加工していきます。木材の含水率をなるべく抑えることで、木が豊かに振動するらしい。よく年季が入ったギターなんかを「木がよく乾いていて鳴りがいいですね〜」なんて言ったりもする。逆に、日本みたいな多湿な国、それに加えてカビ天国の湿度バリバリ押入れなんかに放りっぱなしのギターは、本来持つべき木材の振動、鳴りが死んでしまっているケースが多い、らしい。

、、、と、ここまでの話、知識としては知っていたけど、正直なところあまり実感できませんでした。職人じゃないので「湿気でだいぶ木が鳴らなくなってるね〜」なんて言われても「ああ、そうなんですかぁ。あれれ、まいったなぁ。テヘッ。」なんて中途半端なアホリアクション。例えば、寿司職人に「このイカは一番の旬な食べ頃から3日ほどはずれちゃったねぇ」とか、ワインのソムリエに「もうちょっと寝かせてあげればブドウのふくよかなところが開いてくるんですよ」なんて(仮にね)言われても、「わがんね〜!今の味で充分満足、いやはや、ありがたや〜」と。この先はマニアの領域だなぁなんて線引きをしていたのが率直なところ。だって、本当にわからないの〜、それが本当の気持ち♪だったんです。

ところが、、、

とある場所で野外ライブ演奏を行なった時のこと。
広いイベントスペースの一角にステージを設置して演奏を開始しました。
順調にライブは進行して約10分後、急に霧雨が降ってきたのです。
「降雨」というほどでもないので、気にせずに演奏継続したものの、何かが変!
ギターの弦に細かな水滴が付きはじめたとたんに、音がまったく伸びなくなったのです。いわゆる専門用語で「全然サスティーンしない」状態。
一生懸命に弦を弾いてキュイーーーーーンってやろうとしても、
 キュン、、、 で音が止まってしまう。歯をくいしばってジミヘン顔で ガギョーーンってやっても、ペケッ ポケッ。なんじゃこりゃあ!

まあ、その場はなんとかフレーズを工夫してしのぎましたが、それにしてもねぇ。別に弦がびしょびしょになったわけではなく、うっすらと表面に水分が付着したぐらいの状態で、振動が激減したわけですよ。びっくり。

考えてみたら、水は粘性が非常に高い物質。空気にくらべてはるかにベトベトぷるんぷるんしているので、弦を伝わる振動が吸収されてしまうんですね、ショックアブソーバーみたいに。プールの中に潜って、友達と大きな声で「じゃーんけーんぽーん」て叫んでも聴こえづらいのと同じ理屈なのかな。お風呂で最大音量のおならをしても聴こえないもんね。恐るべし、水の振動吸収能力。胎児が羊水に守られているのもわかる気がする。

ということで、ギターのボディーやネックに使用されている木材も、水分を多く含んでしまうと、せっかくの振動が水に吸収されてしまって本来のポテンシャルが出せなくなるってことなんでしょう。そんな感じに自分なりに納得した次第です。
それを実感してからというもの、毎回の使用後は丁寧に水分や油脂分を拭き取り、自宅では扇風機の風に当てっぱなしにして、木をきちんと乾かすようになりました。いわゆる家庭用扇風機でOK、お勧めですよ♪


だけどね、、、水分が多い方が振動しやすいものもあるんです。

それは、人のココロ。


ココロが乾いていたり、ささくれだったりしている時でも
一皮むけば、そこには流すに流せないナミダがつまっているんです。

ココロの震えが音になり、言葉になり、
空気を振動させて、ちょっと離れたナミダに届く時、
どうしようもなくココロが揺さぶられてしまう。

溢れ出たナミダが次のナミダを呼び、
僕らのココロは空に向かって浄化されていく。

そんなココロのバイブレーションを伝えたくて、
今日も僕達はせっせと楽器を磨いているんです。
なんちゃって。

すまんのう、湿気が多い話になっちゃって。
恵みの太陽、恵みの雨。
音に幸あれ。


「せんべい 湿気て アゴ痛い」 K
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