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ただがむしゃらに走り続けてきた10年Vol.9~2丁目スター誕生~

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俺たちは夜の新宿2丁目へと足を運んだ。

ラジカセとCDを200枚ほど抱えて。

その足取りは、かつてないほど重く、2丁目に近づくにつれ
口数も少なくなっていった。

「不安だから、ペーターから情報を仕入れよう。」

俺は、2~3度行ったことがあるゲイバーのママ(もちろん男)

「ペーター」に、2丁目の危ないスポットの情報を聞き出す提案をした。


「そうだな。そうしよう。」

かつて一緒に行ったことがあるYOU平も賛成した。

のりちゃんと、あつしは、まだ不安な顔をしていた。


「俺、本当に、苦手なんだよ~。」
あつしが不安そうにそう嘆いた。

「チンピラや、やくざよりも、ホモがこわい。。」

らしいのだ。でっかい体して、初めて弱みをみせるあつしがちょっと
面白かった。


俺たちはペーターの店に入った。

運良く、まだお客さんがいない時間帯だった。

「あーら、いらっしゃーい。なに?今日は4人??なーに?
あら、みんないい男じゃなーい!!」


ペーターは上機嫌だ。

「あ、いや、今日はさぁ。これからCDの営業で、2丁目を回ろうと思ってるんだけど、ペーターにいろいろ教えてもらおうと思ってさぁ。」

「え??なに?呑みにきたんじゃないのー??なーによー。」

「まぁ、そういわずに教えてください^^」

「しょうがないわねー。じゃあ、条件があるわ。」

不気味な笑みを浮かべるペーター。



「な、なんだよ。」

「ちんちんもませなさいよー。」

「えええー!!!!!」

絶叫する俺たち4人。

「いいから、ほら、さわらせなさい。ズボンの上からで勘弁してあげるから。」


しょうがない。

なにも知らずに、もっと恐ろしい目にあうよりは、幾分マシだろう。

覚悟を決めた俺たち4人は、ペーターの前に一列に並んだ。


「いただきまーす。」

そういうと、ペーターはズボンの上から俺たちの一物を

わしづかみし始めた。

「ぎゃ!」

「う、うわー。」

「ちょ、ぇxgtyにゃ!」

「ぐ、ぐ、ぐうー。。。」


悶絶する俺たち4人。

事は終えた。

あつしは、真っ白に燃え尽きた、あの「あしたのジョー」のように
なっていた。



俺たちはひとつの壁を乗り越えたのだ。
「ペーターのキンタマわしづかみ」は、
ある種、
「あんたたち頑張りなさいよ!」的な最強のおまじないにすら思えた。

もうこれで大丈夫だ。
どんな恐怖にも打ち勝てる。

そして、約束通りペーターは俺たちに2丁目の情報を教えてくれた。

「○○ビル7階の、○王はヤバイと思うわ。遊び半分で行かないほうが
いいわよ。あと、このビルだと、3階の右のドアのお店。最近いい噂聞かないわね。」
「うーん、まぁ、でもあたって砕けろよ。大体は大丈夫だと思うわよ。」

「ペーターありがとう!!」
「ありがとうございます!」

「いいのよ。たまには呑みに来なさいよ。あんたたち。」

「うわー。」去り際に無駄に一回余計に触られた俺。


ペーターから情報も聞き出したし、あとはひたすら回るしかないな。



俺たちは片っ端からお店を回った。



「あたし、ひげの彼がいい。」

「あーら、後ろにいるおっきい子。そう、おひげの彼かわいいじゃなーい。」

「おひげの彼がきにいっちゃったから、3枚買うわ。」

「あーら、かわいい、おひげの彼素敵。じゃあ、CD買ってあげる。」



行く店行く店、あつしが大人気だった。


俺たちは10軒ほど回った時点で、かなり麻痺してきて、
むしろ2丁目を楽しんでいた。

本当に、み~んないい人だらけだった。

なにも怖くなんかない。すごく純粋で正直で素敵な人たちなのだ。

お店のスタッフのオカマはもちろん、お客さんのホモやゲイの人たちも
本当にいい人ばかりだった。


もちろん、怖いお店もあるにはあったが。。。

あるお店に入ったら、
そこには、全身オイルでテッカテカの小麦色したマッチョが
カウンターにバーテンとして立っていて(Tバック一枚で)
お客さんは、そのマッチョを酒の肴にしてチビチビと
呑んでいるのだ。会話など一切ない。

俺たちが見せに入ると、ただ黙って客もそのマッチョも
ジロリとにらみつけるだけ。

「あ、間違えましたー。」

俺たちはそういってダッシュで逃げた。


またある店では、
セーラー服を着たオカマに、ずーとあつしは口説かれていたらしいのだ。
「ねぇ、わたしとつきあってよ。」

あとで聞いたのだが、ずーっとそう言われてたらしい。


俺たちは、2丁目でのこの「あつし人気」を利用しない手はないと

途中から、嫌がるあつしを先頭にして、店に入るようにした。


この作業を3日間つづけ、2丁目のお店もすべて回った。

1軒残らず、すべて回った。

約300枚近く、CDを売り上げることが出来た。


2丁目での最後のお店で、

お客さんのキャバクラ嬢の子がこう言ってきた。

「ねぇ、ホストクラブ行ってみたら?もしかしたら、
お客のキャバ嬢や風俗嬢の子たちが買ってくれるかもよ。
あと1週間くらいしかないんでしょ。がんばって。」


そうだな。2丁目ももう回るお店はない。

これは、歌舞伎町に行くしかない。



俺たち4人にはもう悩んでいる時間はなかった。


自然と、眠らない街「新宿」の

あの「歌舞伎町」へと歩き出した。





残り300枚近く。


もう少しだ。




俺たちは完全に麻痺していた。




つづく。
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