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ただがむしゃらに走り続けてきた10年Vol.12~四谷ミラクル~

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100円あったらマックへ行こう。


このキャッチフレーズを聞くと、あの日の自分たちを鮮明に
思い出す。

2004年1月。

怒涛のCD営業の最中、もっぱら俺たちの主食は

80円のマクドナルドのハンバーガーだった。


2003年の11月いっぱいでバイトをやめ、
レコーディングにワンマンライブ。

年が明けてからのCD営業。

その間の収入はほとんどゼロに近い状態だった。


見る見るやせていく俺たち4人。

しかしながら、このCD営業の経験で、たくさんの人に
出会い、たくさんのやさしさに触れ、俺たちは確実に
大きく成長していたと思う。


その間のバンドのスタジオ代や、営業でかかる交通費などの
すべてを、映像会社に負担してもらっていた。

いま思えば、本当に恵まれた環境で、音楽に取り組めていたと思う。

この恩は一生忘れないだろう。


ワンマンライブ以降、俺たちはCD営業と平行して
週3回のスタジオ練習も欠かさなかった。

研ぎ澄まされていくバンドサウンド。

4人が一心同体になって繰り出すグルーヴ。

あとはステージに立つだけだった。




5年前の1月30日。


俺たちは急遽入れた四谷でのライブで素敵な奇跡に遭遇した。



対バンの人たちやそのお客さんたちが
最前列に押しかけて、盛り上がってくれたのだ。


「WOOD SCOCK」「飛蹴」。

この2バンドとの出会いは一生忘れないと思う。


初めて会った見ず知らずのバンドの演奏に、カラダで応えてくれる。

こんな経験は東京に来てから初めてのことだったし、

何より、過酷なCD営業を経て、久しぶりのライブでのその現象に、
俺はこみ上げてくる涙を必死でこらえていたことを覚えている。


「バックボーン」を感じさせた瞬間だったのかもしれない。


その日以来、俺たちが主催したイベントでは、
盛り上がらない日はなかった。

けが人が出るのではないかというくらいの勢いだった。



映像、写真、音楽が融合する、FLOWERMOUNTAIN主催の
伝説のイベント「GOLDEN GOLD Vol.2」を目前に
控えたとある日。





「しんちゃん、俺、no_NAMEやめるわ。」




突然、YOU平が



そうつぶやいた。







つづく。
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