Kです。
バンクーバー五輪モーグル。
マニアック観戦ブログですよ。
女子決勝の興奮さめやらぬ中、
男子の予選&決勝を観戦。
よかった、きちんと録画できていて。ほっ。
速い。
ばかっ速。
鬼っ速。
なに、あれ、、、。
春のザラメ雪のようなコースコンディションで、バンバンスピードを出していきやすかったとはいえ、みなさん速過ぎです。スピード違反で一発免取りですよ。
ソルトレイク→トリノときて、どんどんベンチマークとなる滑りのハードルが上がっている流れですけどね。しかし、速いわぁ。A. ビロドー選手の決勝ラン、第1エア直後のクイックぎみにターンが入るところ、間違えて早送りしちゃったかと思ったもの。
あの選手層の中での日本選手たち、大健闘ですね。
世界標準が年々高速/高技術化している中で、ワールドワイドの流れに合わせてしっかりとアップデートできている滑りでした。ジャッジの採点ポイントもしっかりと研究しているターンテクニック&エアポジションだったし。
4人全員、素晴らしい演技だったと思います。
附田雄剛選手のスタート前の表情、軽くイッてしまったような眼球の動き、最高でした。鬼が出てましたね。いやあ、よかったよかった。
今回の男子モーグル、音楽そしてギター弾きの視点からみると「シュラプネル!!」って印象でした。1980年初頭からHR/HMでの早弾き超絶技巧ギタリストを数多く輩出したアメリカのインディレーベルです、シュラプネル。
イングヴェイ・マルムスティーンの登場をきっかけにポール・ギルバート、トニー・マカパイン、ヴィニー・ムーア、マーティー・フリードマンなど、続々と ばかっ速ギタリストが登場して、一気にテクニカルスキルの基準を押し上げたんです。スウィープピッキングによる分散和音の高速プレイとかね。ヘッドホンから「なんじゃこりゃ!」「ありえね〜!」が次々に飛び出てきた時代。
あれを聴いちゃうと、次の世代はもっと速く難易度の高いものを追求してしまいますからね。僕は早々にあきらめましたけど、えぇ(涙目)。
もしくはITテクノロジー。PCのCPUクロックスピードやメモリ容量が、大きな技術革新と新基準ベンチマークの台頭をきっかけに高速大容量化。短期間のうちに新製品が次々に発売されたのにも似ています。メーカー各社の動きがお互いに拍車をかけるデッドヒート。消費者はおいてきぼり、必死についていってもすぐに時代遅れ(笑)。
昔のパソコンは搭載メモリが64KBだったりしたのにね。牧歌的な時代でしたよ。カセットテープで長時間かけてソフトウェアを読み込んでいたんだから。SHARPなんて「クリーンコンピュータ」コンセプトで、まずOSをカセットで読み込まないと起動できなかったんだからね。おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きましたとさ。
そんなこんなで、モーグルも昔は一般の人たちがそれなりに練習すれば、ある程度の凸凹専用ターンテクニックを身につけて、エアもツイスタースプレッドとかコザック、ダフィーなんかで「モーグル選手」風の滑りに近付けたんだけど、今ではフリップ系や3Dエアが標準だから、おいそれと手を出しにくくなっちゃったよね。エントリーの敷居が高くなってしまった。限られた選ばれし人たちのためのアクロバット競技。サーカスのような鑑賞スタイル。それはそれで手に汗握る興奮があるんですけど。
やや残念なのが、ジャッジの採点基準明確化によって「点数が出る」パターンが決まってしまったこと。D. B. スミスを筆頭に優等生だらけになってしまった観があります。逆にいえば没個性。スマートに正確に同じことを再現すれば、同じ点数評価をしてもらえるようになってしまった。2位のD. B. スミス、もう何シーズンか演技内容は変わってないもんね、スピードはどんどん速くなっているけど。偏差値スタイル。僕的にはロックじゃないんですよね。
逆にG. コラを筆頭に、フランスチームにはまだロデオのような荒々しさと少しでも個性を発揮しようとする遊び心がある気がします。E. グロスピロンが蒔いた種が、まだ根っこに息づいている。ワイドスタンスぎみのストックワークでドカドカ猪のように落ちてくる最速追求のターンスタイルとか、あえてサイドフリップを追求しちゃうところとか。第2エアでの減点が大きく響いて G.コラはメダルを逃しましたけど、最速タイム22.90秒でゴールインしたときの右手人差し指をあげたポーズと満足げな表情、点数とは別な次元での「やりきった感」があって格好良かったですね。ロックでした。
とはいえ、雪山という自然環境での滑走競技ですから、コースレイアウトや雪のコンディションによって試合内容が大きく変わるのもモーグルの大きな魅力。
サイプレスマウンテンで各選手がみせた ぶっ飛びの滑り。これがW.Cup 猪苗代大会でどのように変化してくるのかも大いに楽しみです。リステルの急斜面と落差の大きいコブ。世界屈指の難コースに高速モーグル/高難度エアの流れがどう対峙するのか。地元日本選手の活躍や、いかに!
んーー、モーグルっていいですね♪
「だけどやっぱりグレン・プレイクが一番好き!」K.
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